上部内視鏡(食道・胃カメラ)

上部内視鏡検査について

上部内視鏡検査

上部内視鏡検査(いわゆる「胃カメラ」)は、先端にカメラが搭載された内視鏡を鼻もしくは口から挿入し、食道・胃・十二指腸の一部を観察する検査です。内視鏡検査では、バリウム検査と異なり直接粘膜を観察できるため、軽微な色調変化や凹凸をとらえることができます。また、その場で組織検査ができるため、最終的な診断まで一度でたどり着くことができます。検査時間は、胃の状態によって異なります。ピロリ菌に感染していない胃は5分程度で終わりますが、ピロリ菌に感染して炎症を起こした胃は10分程度かけてしっかり観察する必要があります。

当院の上部内視鏡検査の特徴

人間とAIのダブルチェックによる見逃しの少ない上部内視鏡検査

当院の院長は、日本消化器内視鏡学会認定の専門医として、内視鏡検査を多く経験しています。さらにFUJIFILM社による、AI(内視鏡画像診断支援システム)CAD EYE搭載の胃カメラを使用しており、このAIが膨大なデータベースを基に病変を探知して指摘してくれます。人間の経験とAIのデータベースに基づいた探知能力のコラボレーションにより、極限まで見逃しの少ない上部内視鏡検査を提供します。

鎮静剤による苦痛の少ない内視鏡検査

当院では、鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査に対応しております。検査時にリラックスした状態(完全に眠っているのとは異なります)となるように鎮静剤を調整して検査を行うと、患者さんも負担が軽くなり、検査をする側もゆっくり丁寧に観察できるという効果が期待できます。一方で鎮静剤を投与した際には偶発症が起こる可能性があります。具体的には、注射部位の炎症、血管痛、アレルギー、そして頻度は低いものの血圧低下、不整脈、呼吸抑制などの重篤なものもあります。よって、高齢のかたや呼吸器リスクをお抱えの患者さんには鎮静剤は使用しておりません。なお、鎮静剤の作用が抜けた後も、薬の影響が残ることがあるので、検査後30分程度は院内で休んでいただく必要があります。検査当日は自動車やバイク、自転車等の運転はお控えください。

鼻からでも、口からでも

挿入経路(鼻から挿入する経鼻内視鏡と、口から挿入する経口内視鏡)を選択いただけます。ピロリ菌に感染して炎症を起こした胃の患者さんは、しっかり観察する必要があるので、太い分観察力に優れた口からの胃カメラを鎮静下に行うのがよいでしょう。鼻からのカメラでもオエっとなりやすい患者さんも鎮静のよい適応です。
鼻からのカメラは細く、また舌の付け根にあたらずに進んでいくので、嘔吐反射が少なく、楽に検査を受けることができます。ピロリ菌に感染していない患者さん(胃がんの低リスク)や、自転車や車で来院して検査が終わったらすぐ帰りたい患者さんは鎮静なしで鼻からのカメラをお勧めいたします。
一般的には患者さんが楽な順に、口から鎮静あり>鼻から鎮静なし>口から鎮静なしとされています(鼻から鎮静ありは、鼻からのメリットを消してしまうのでおすすめしていません)。詳しくは相談しながら決めていきますので、遠慮なくご要望をお聞かせください。

このようなときは上部内視鏡検査をお勧めします

  • 喉や胸につかえた感じがある
  • 胸焼けがする
  • 胃の不快感が続いている
  • 何度も嘔吐してしまう
  • 貧血を指摘された
  • 体重が急に減少した
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍を患ったことがある
  • バリウムによる胃の検診で異常を指摘された
  • 食道がんや胃がんを治療したことがある

上部内視鏡検査で発見できる主な疾患

  • 逆流性食道炎
  • 食道カンジダ
  • 食道がん
  • 胃炎(急性・慢性)
  • 胃潰瘍
  • 胃ポリープ
  • 胃がん
  • 十二指腸炎
  • 十二指腸ポリープ
  • 十二指腸潰瘍
  • ピロリ菌感染症

など

上部内視鏡検査を受けるには

上部内視鏡検査を受けるには、一度受診いただき、医師およびスタッフから検査に関するご説明をさせていただきます。中止するお薬や鎮静の有無、挿入経路について相談し、また感染症の有無を確認するための血液検査を行います。内視鏡検査を行うにあたっての主な流れは下表のとおりです。

上部内視鏡検査を受けるまでの流れ

受診

問診票をもとに、中止するお薬や鎮静の有無、挿入経路を相談。検査日を予約します。
条件が整えば当日検査することもできます(その日は食事していない事が必要です)。


検査当日:消泡剤を飲む(口からと鼻から共通)

※朝検査のかた:当日は食事を摂取しないでください(水分は1時間前まで可能)
※昼検査のかた:食事は朝7時までにお済ませください(制限あり、水分は1時間前まで)


  • 検査20分前に来院いただき、お着替えします
  • 胃の中の泡を消して、観察しやすくするため、消泡剤を飲みます。

鼻腔に麻酔薬を注入(鼻からの患者さんのみ)

  • 鼻腔粘膜の血管を収縮させて出血を予防するため、両方の鼻腔に局所血管収縮薬を噴霧します。
  • 内視鏡を挿入する側の鼻腔内に麻酔を塗ったスティックを入れて鼻を慣らします。

検査開始

  • 直前に喉麻酔を噴霧します。
  • 鎮静する患者さんは直前に鎮静剤を注射します。
  • 内視鏡を挿入して検査が始まります。
  • 鼻からの患者さんは、口は自由に動かせますので医師らスタッフとの会話も可能です。

胃の内部を観察

  • 食道、胃、十二指腸の一部を観察します。
  • 必要があれば組織を採取します。

検査終了

  • 一通り観察を行ったら検査は終了です。
  • 検査時間は、5~10分程度です。

※鎮静を行った患者さんは検査後30分程度、院内でお休みいただきます。また、自転車や車での来院はお控えください。

検査後の注意点

  • 鼻血が出ることがあります。鼻を強くかまないでください(鼻からの患者さん)
  • 検査後、1時間程度は飲食をお控えください(組織検査を行った方は2時間以上が経過してからにしてください)
  • 検査後2~3日は、アルコールや香辛料などの刺激物を控え、消化の良いものを召し上がるようにしてください

費用について(おおよその目安となります)

検査内容 1割負担のかた 3割負担のかた
胃カメラ(観察のみ) 約1,500円 約4,500円
胃カメラ(観察+病理検査) 約3,000円 約9,000円

※診察料と採血費用が別途発生します